『ムーラン・ルージュ新宿座』書評 野末陳平

ムーラン・ルージュ研究家」の肩書きを持つ野末陳平さんにブログ(2011年9月10日)で拙著[ムーラン・ルージュ新宿座』の感想をいただいた。戦後ムーランの観客であり、第三次ムーランを率いた一人である野末氏の望外の讃辞、ありがとうございます。
http://plaza.rakuten.co.jp/chinpei/diary/201109100000/

朝から、拡大鏡使いながら、「ムーランルージュ新宿座」という分厚い本を読んでます。サブタイトルに、「軽演劇の昭和小史」とあるように、恐らく昭和の小劇場芝居にかんする初めての記録と評伝であろう。
発売されたばかりの本書、著者の中野正昭氏から贈呈されたもの、今度その著者に会うので、楽しみに読んでいるのだが、ムーランの記録映画の上映が来週から始まるので、いいタイミングの出版だというものの、内容的にはスゴイ労作というか、資料もふんだんで、この陳さまさえ知らない事のほうが多く、よくぞここまで調べたもんだ、とただただ感嘆します。
この著者は大学の先生で、若いころ、早稲田の演劇博物館で仕事していたらしく、軽演劇に詳しいのは自然だろうが、年齢からいって、現物を見てないみたいで、そういう人が書いてるから興味ひかれるんですね。実際に、舞台を見てる経験を踏まえて書いたら、客観的になれませんからね。
こういう地味な本が売れれば快挙だけど、そうでなくても、何かの賞ぐらいは、あげたい感じです。それほどに価値ある仕事だ、と思いながら、この新刊を読んでます。


野末氏と言えば、作家・野坂昭如氏と組んだ漫才コンビ「ワセダ中退・落第」。