『ムーラン・ルージュ新宿座』書評 鹿島茂 「週刊文春」

12月8日発売の「週刊文春」(2011年12月15日号)の文春図書館「私の読書日記/昔の東京、レヴュー劇場、どりこの」にて鹿島茂氏に拙著『ムーラン・ルージュ新宿座』の書評をいただた。

以前、これ〔ムーラン・ルージュ新宿座〕に興味を持ち調べてみたことがあったが基本資料がないので断念した。それがようやく決定版と呼べるような研究書が現れた。〔略〕徹底的に資料に当たりながら、通読してもおもしろい演劇史に仕立てた腕は見事の一語。本年の大きな収穫である。

望外の讃辞、ありがとうございます。同読書日記ではムーラン・ルージュ新宿座の歴史とその意義についても記されており、これを機会に「週刊文春」読者の往年のムーラン・ファンや当時を知る人が再びムーランへ関心を持ってくれたら、と思う。

個人的には同じ読書日記の中で、吉田健一『東京の昔』(ちくま学芸文庫)、宮島英紀『伝説の「どりこの」』(角川書店)と一緒に取り上げられたことも嬉しい出来事だった。ちょうど私も「面白いなぁ」と読んでいたところなので。いや、本当にこの二冊は「昭和モダン」の黄昏を愛する者としては堪らない本だ。

東京の昔 (ちくま学芸文庫)

東京の昔 (ちくま学芸文庫)

伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた

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