『ムーラン・ルージュ新宿座』書評 井上理恵 「図書新聞」

11月26日発売の「図書新聞」(2011年12月3日付)で日本近現代演劇研究の大先輩である井上理恵氏に拙著『ムーラン・ルージュ新宿座』の書評「大衆的都市芸能の歴史的事象が初めて明らかにされる――章の展開と共に浮かび上がる、新宿ムーランの数奇な運命」をいただいた。

今は亡き吾が恩師・曽田秀彦をよく知る井上先生から

中野の労作を読みながらわたくしは〈曽田秀彦〉からどのくらい離れることが出来るのか否かに興味があった。既存の「小史」に縛られている章は、「似てる……!」と思う部分もあったのだが、詳細な資料を揚げ、時に作品の内容にも触れて徐々に中野スタイルが生まれ、曽田色にプラスされるものが出てきた。/これまで殆ど知られていなかった新宿ムーランの数奇な運命といっていいような部分が、章の展開と共に明確な像を持って浮かび上がってきたからである。これは大きな収穫であった。

との評をいただいたのは、個人的に嬉しいことである。書評ありがとうございました。